皆さんこんにちは、インストラクターの藤井です。
先日読んだリーダーシップに関する本の中で、面白い理論がありました。
ビジネスパーソン、教育者の方には興味深い理論かもしれません。
長文ですが、お付き合い下さい。
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長らく、リーダーシップ研究は「ワン・ベスト・ウェイ(ただ一つのもっとも良いやり方)」の探求がされてきました。しかし徐々に時代背景とともにそれは変化していきます。
1960年代頃になると、「コンティンジェンシー理論(状況適応理論)」が登場します。基本的な考えが「ワン・ベスト・ウェイ」と対照をなすものです。
その代表的な理論のひとつ、アメリカの経営学者、ハーシーとブランチャードの「SL理論(Situational Leadership Theory:状況適応型リーダーシップ理論」です。
リーダーシップのスタイルを、縦軸に人間関係志向・横軸に課題(仕事)思考に分けS1~S4とし、部下の成熟度(状況要因)M1~M4によって、リーダーシップの有効性を示した。
この、“状況要因”がコンティンジェンシー理論の要であり、有効なリーダーシップ・スタイルは、部下の成熟度が「M1→M2→M3→M4」と変化するにつれて、リーダーシップスタイルを「S1→S2→S3→S4」に柔軟に変化させることが肝要だ、という考え方です。
◆「リーダーシップのタイプ」
S1:教示…上からのコミュニケーション、個々の役割を明確化、課題を事細かに設定。
S2:説得…事細かな指示、双方向のコミュニケーションや個々人をサポート。
S3:参加…課題の達成方法に関しては部下との関係を重視。課題の設定は口出ししない。
S4:委任…決定を丸投げではないが、プロセスにはあまり介しない。部下に責任を与え、行動をモニターするのみ。
◆「部下の成熟度」(状況要因)グラフ下部
M1:成熟度<低>
職務に必要なスキルを持たず、責任感にも欠ける。
M2:成熟度<中低>
責任感に欠け、まだ初心者の域は出ないが、課題に取り組む姿勢は前向き。
M3:成熟度<中高>
場数も踏み、課題もこなせるようにはなっている。まだ自信に欠け、責任感もいまひとつ。
M4:成熟度<高>
経験も積んで自信を生み、課題のみならず責任についても自ら引き受けようとする。
本文中著者は、3年B組金八先生を例にとり「金八先生のリーダーシップスタイルは、生徒の勉強面と生活指導面の両方に力を注ぐ、いわゆる熱血先生タイプ(S2)。大変すばらしいが、成績優秀で自発的な学習意欲に満ちた生徒や、人から細かい事を言われたり、チェックされたりするのが好きではない生徒など、様々なケースが存在する場合、そうしたタイプは受け入れられないことも起こり得ない事ではない。」としています。※()内追記。
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とても長くなってしまいましたが、この理論、私共インストラクターにも当てはまると思いました。生徒の成熟度によって、教え方を変える。ただ、現在は「ネオ(新)・コンティンジェンシー理論」として「コーチング理論」へと変化しているようです。コーチング理論については、また機会がありましたら書いていきます。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。